2013年03月23日

*映画鑑賞日記: いのち耕す人々

(2008/日)IMDb logo


30年以上も前から有機農業に積極的に取り組んできた農村の人々の姿を追うドキュメンタリー。
昔の映像も多く残っており、そういう意味では資料的価値も高いと思われる。
とはいえ、彼らの主張を一方的に追って作られたものなので、その内容は偏向していると言わざるをえまい。
結果だけを言うと、私は彼らの努力については頭をたれるけれども、
有機農法とその未来については大変に懐疑的になった。

彼らの主張によれば、大地に生きる農法はすばらしいということになるのだが、
そもそもなぜ有機肥料オンリーか化学肥料オンリーか、の二者択一になるのかがわからない。
確かに農薬の空中散布によってトンボとかが大量に死んでいる映像を見ると
化学薬品ってのは怖いなあ、とは思う。
が、あれってまあアメリカみたいに民家から離れた広大な農場で大規模にやるからメリットがあるものであって、
日本の農家が自宅近くの小さな田んぼで稲作をするのに使うということ自体に無理があるのではないかと思う。
それに彼ら自身が「自然な」とか「昔ながらの」とかいう言葉のイメージに踊らされてるというか
それを自分たちにいいように利用している部分があるんじゃなかろうか。
大地の力を、とか、美味しい空気を、とか、実際によく聞く字句ではあるのだけれど、
大気だって土壌だって河川の水だって、汚染されているのだ、昨今は。
安全面から言えば、外界から隔絶されたハウス農園で
液体肥料で水耕栽培された野菜の方が上だろう。

一般的な農法より手間がかかることをクローズアップして、
汗水たらして働くけどそれに見合った実入りはなく、
でも「やりがいがあります」という農家の方の笑顔は確かにすばらしい。
が、そういう自己犠牲の上に成り立つビジネスモデルってやっぱダメでしょう。
そういうことやってるから日本の農業は先細りなんじゃないか。

とか、色々批判はするけれど、
大規模バイオ企業関連はバンバン広告打てるのに対し、
こういう立場の人たちから発信できる場って少ないと思う。
そういう意味で、色々な問題提起をしてくれる教材として、これはありかなと思います。

彼らの主張に同意するわけではありませんが、
こういう人達がいてくれるからこそ、食の問題について改めて考えることができるのだと思うのです。



10点満点中5点。
タグ:documentary 5/10
posted by げんまいちゃ at 00:00| 島根 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | Film | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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