2015年07月03日

映画鑑賞日記: Night Train to Lisbon

(2013/独・瑞・葡) 邦題: 『リスボンに誘われてIMDb logo


ポルトガルにカーネーション革命と呼ばれるものがあったらしい。軍部のクーデターによって、長期にわたる独裁政権がとうとう終わったらしい。まだ40年ほど前のことなので、当時のことを知る人はまだまだ山のようにいるらしい。すみません、何もしらなくて。

偶然手に入れた本と夜行列車の切符に導かれて、リスボンにやってきた主人公。本の作者に関心を持った彼は、作者を知る人を訪ね歩く。徐々に見えてくる革命前夜の彼らの心情。「友情」とか「恋」とか「革命」とか「思想」とか、とかく暑っ苦しいものを、「若かったあの頃」を振り返る年寄りの視点と行ったり来たりして語らせることで、熱情と静謐さの両方を美しく表現することに成功している。

Jeremy IronsやCharlotte Ramplingといった、地味だけどうまい役者をえらんだもんだ。平々凡々とした毎日を送っていた男が、いきなり全てを投げ出して夜行列車に飛び乗って、着いた先が偶然手に入れた本の作者のいた街で、彼の家族や知り合いに次々と会うことができてと、少々プロットに無理はあるように思うけれども、そうすることがものすごく生きている。

静かで、強くて、考えさせられる。ものすごく、良い。


10点満点中6点。
posted by げんまいちゃ at 00:00| 島根 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | Film | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月02日

METライブビューイング: The Barber of Seville

楽しかった!! ロジーナ役のIsabel Leonardとフィガロ役のChristopher Maltmanの演技のうまいこと!! 喜劇はこうでなくちゃね。定番の演目は、奇をてらわずにストレートな演出で、色もカラフルで、勝手知ったる仲間達が楽しんでやっている感じが伝わってきてよかったです。

posted by げんまいちゃ at 00:00| 島根 | Comment(0) | TrackBack(0) | Film | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月07日

*映画鑑賞日記: Philomena

(2013/英・米・仏)IMDb logo 邦題:  『あなたを抱きしめる日まで


"The Lost Child of Philomena Lee"という本の映画化。これが契機となったのかどうかは知らないが、この原作の販売時期以降、イギリスではカトリック教会の醜聞が噴出した。少年への性虐待とか、この話にも出てくる教会が運営する「慈善施設」の搾取・人権侵害問題とか。そういう諸々の報道を目にした後でこの作品を観ると、この話の主人公と同じことを経験したであろう多くの人々の人生というものを思わざるをえない。昔の話ではない。今も何百何千というPhilomenaが引き裂かれたわが子を探している。

これはフィクションではない、現実にあった話である、ということが、この作品を嘘くさくしているような気もする。ディンチは相変わらず素晴らしい。007のMの印象は微塵も感じさせない、見事な田舎のおばちゃんっぷり。なのだけど。なんだか全体が綺麗にまとまりすぎている気がして。


10点満点中5点。
タグ:biography Drama 5/10
posted by げんまいちゃ at 00:00| 島根 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | Film | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月31日

*映画鑑賞日記: Interstellar

(2014/米・英・加) IMDb logo 邦題:  『インターステラー


宇宙を舞台にするSci-Fiにはあまり興味はないけれど、Christopher Nolan監督作品となれば何をおいても見ずばなるまい、という半ば義務感に駆られて観てまいりました。相変わらず、どういう設定なのかもう一度説明お願いします!!という部分もありはするのですが、別にちゃんと解らなくても大勢に影響はしませんし。

Inceptionの時ほどハマりはしませんでしたが、かなり楽しみました。やはりいいですねえ。

観終わってからかなり時間がたってからこの感想を書いているので、作品の詳細な部分についてはかなりあやふやになっているのですが、ストーリーが進むに連れ、引き込まれるというよりも絡めとられていくようなあの感覚や、エンドロールが終わって場内が明るくなったときに感じたあの虚無感とも脱力感ともつかぬ不思議な感覚が、皮膚感覚としてまだ残っているように思います。

次代に残る名作かといわれればそうでもないようにも思うのですが、それでもこういった独特の世界観をきっちり描ける監督の力量というのはやはり流石だとしか言いようがないと思います。


10点満点中6点。
posted by げんまいちゃ at 00:00| 島根 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | Film | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月24日

*映画鑑賞日記: Gone Girl

(2014/米)IMDb logo 邦題: 『ゴーン・ガール』


話題作であるのは知っていたけど、あまり興味はなかった作品です。ちょっと時間つぶしにいいかな、位の気持ちで入ったのですが、うわぁ…。こういう展開だったとは。

R指定されているのはお子ちゃまが観たら「ワタシ、結婚なんてしない」とか言い出すからではないか、と一瞬考えました。

主人公の妻が行方不明となり、犯人探しの犯罪スリラーになるのかと思いきや…。うわぁ。

おそらく男性と女性でだいぶ異なる感想を持つのではないかと思います。そういう意味ではご夫婦で観ていただきたい作品ではありますが、いろいろとご事情のあるご夫婦の場合、薄ら寒い空気が漂ってはいけませんので絶対に二人で観てはいけない作品かもしれません。

男性は「そんなに嫌なら別れればいいじゃないか」と言い切ることができるのではないでしょうか。でもたぶん女性は違う。このエイミーの心境がわかるんじゃないかと思います。周囲からの期待や圧力、自己実現への方策、などなど。監督も原作者も男性であることが意外に思われますが、逆にそうだからこそ両性の間のこの違和感をきっちりと描けているのかもしれません。

男女平等を謳い自由を重要視するアメリカという国で、こういった作品が生まれることがとても興味深く感じます。この時代にこういった作品が作られ、それが高く評価されることについて、そしてこの作品が社会に与える影響について、社会心理やジェンダー学の専門家がどのように見るのか、関心を持っています。


10点満点中8点。
posted by げんまいちゃ at 00:00| 島根 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | Film | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。